2015年9月22日火曜日

日記



 

(1)
のんびり暮らしています。
気がつけば北海道に帰ってひと月が経っていました。
気持ちを落ち着けて、ほんとうにのんびりとできる日が増えてきました。

いろいろほったらかしですが、それが本来の自分の姿でしょう。



(2)
いくつか本を読みました。

 「けもの道の歩き方」(千松信也、リトルモア)
猟師になるいきさつと思想を綴った前作「ぼくは猟師になった」が大変面白くファンになったため、待ち遠しい新刊でした。
今作は、猟師生活の紹介よりも、普通に暮らす中で接している動物や自然についての思いを中心に描いたエッセイ。
前作がつくったブームで様々なハンターが本を出版しましたが、それでも千松さんの魅力が色褪せないのは、そのライフスタイルを裏付けている思想が確かなものだからだと思います。
食べ物としての動物と自分の関係を問いなおす、ことにはじまり、「本人にとっての」人間社会と自然世界のより適当な関係を求めています。
今回ほとんど猟のシーンがないのは、「猟をする姿」が自分にとって中心のことではないから、ということなのでしょう。
千松さんは静かに変わらず、充実した生活を送られているようで、その姿を読めるのが嬉しく思いました。

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」(米原万里、KADOKAWA)
ロシア語通訳の著者が、幼い頃在プラハ・ソビエト学校で出会った個性的な3人の友人の思い出と、改めて会う顛末を記したノンフィクション。
共産主義と資本主義の争いがあった頃。終わった今。
平等を理想とする共産主義国の中で特権階級にいた彼女たちの暮しと誇りの矛盾や、その後の人生、少なからず自分の環境を「合理的」に解釈して生きていることは、変わらないものと思います。
しかしそれぞれの人物描写が魅力的で、いろんな感情がないまぜになるけれど、結局愛すべき人々の人生、というものを思わせてくれます。
それは、地位や社会の体制などにかかわらず、人が親しい人に抱く愛情というものではないでしょうか。

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